特集!教育シリーズ
親のがまんする心でやる気が育つ
当時:4年生担任

「早く起きなさい。」
「早く服を着替えなさい。」
「さあ、早く食べなさい。」
「歯磨きはしたの。」
「早く行かないと遅れるよ。」

テープにふき込んでおきたいほど毎朝決まって口にする言葉です。
さて、皆さんの家庭ではどうですか。

同じようなことが一日中繰り返され、何円も続けられたとしたら、子ども達はやる気のない”受け身人間”になってしまうことでしょう。

私たちは、子どものためにと思っていろいろ世話をやいたり叱ったり教えたりしているつもりですが、なぜか子ども達は思うように行動してくれません。

どうも私たちは子どものことをよく理解しないで理想を追いすぎているような気がします。
例えば、子どもが読書をしているとしましょう。
まず、漫画を読んでいると、がっかりするか、ムッとするでしょう。童話や文学作品だとなぜか安心します。宿題もせずに漫画に夢中になっていたものなら、爆弾の一つも落ちかねません。たとえ文学作品であっても、宿題が終わっていないと聞かされると、「宿題が終わってからよ。」と言って、文学の世界に浸っている子をむりやり現実にひきもどしてしまうでしょう。

こんな風に、大人は子どもの個性や気持ちを無視して、こうであらねばならぬ”という大人が作り上げた理想に子どもをはめ込むことにやっ気になっているように思われます。その結果、子どもは大人の顔色を伺いながら生活していくことになり、注意散漫な受け身人間になってしまうのです。

子どものやる気をなくしている親の言動について、一緒に反省してみましょう。
@世話を焼きすぎると指示を待つ受け身人間になります。自分で考えるより、指示に従う方がずっと楽なのです。

A物を十分与えすぎると物事に熱中できなくなったり、工夫をしようという意欲をなくしてしまうようです。

B子どもががんばったことについて正しく評価し認めてやらないと、やる気をなくしてしまいます。ほめられると大人でも”よし、やろう。”と思うものです。

C子どもの個性を無視して親の理想を押し付けるのはやめましょう。自分の好きな事を自分なりのやり方でしている時の子どもの目の輝きを大切にしたいものです。

Dそして、何よりもむつかしいのは、親の方の”がまんする心”です。もう待てない、見ておれないと口や手を出さずにおれないのは、”親の欲”があるからではないでしょうか。欲が深すぎると・・・・・・。