特集!教育シリーズ
態度で示す
当時:たんぽぽ学級担任
給食準備でごったがえしている1階階段付近で、3年生の女の子が、ひとりで運んでいたおかずの食缶をひっくり返してしまいました。

どういう状況で起きた事なのかわかりませんが、ほんの数秒の間にワッと子ども達が集まって来ました。

やったぁ!!わしゃ知らんで」とはやしたてたり、「誰がやったんや!!」と叫んだり、「どうするんじゃろう」とヒソヒソ話しをしたり・・・。

ぼくが出て行こうと動き出すより一瞬速く、現場に近づいたのは、エプロンをつけた6年生の男の子3人。
「おい!!どけ!!どけ!!」と言った子、「きにすなや」と言った子もすぐにぞうきんや新聞紙を持ってきて、3年生の担任の先生が来られた時には、ほとんど始末を終えていました。

3人組の素早い行動と、そのチームワークの良さに、出て行くチャンスを失ったぼくも、ただ茫然と見ているだけでした。

これは、以前務めていた学校で、実際にあった出来事です。
こういう出来事は、その気で見れば、よくある事ではないかと思います。

2人で持つように決められてい食缶を1人で持たされた女の子。
何がかが起きたとき、「わしゃ知らんで」と責任のがれをしようとする人。
「だれがやったんや」と責任を追及するだけの人。
「どうせするんじゃろう」と傍観者の立場をとうろうとする人。
そんなことは頭になく、自分の給食当番の仕事にも関係なく、目の前に困っている人に、すぐに適切な援助ができる力と勇気を持った人。

人様々ですが、わたしたちは「こうありたい」、「こういう人になりたくない」と思う事を子どもに態度で示す努力を続けたいと思います。