CHOURS ”かべ”創立百周年記念誌
昭和49年発行 
可部小の本 歴史を振り返る


3年生になって学ぶ”山繭織”。可部で織り出されたため”可部紬”とも言われ、
重宝がられていたんです!

鈴張村で諸紬という縦・横ともに山繭の手引糸をもって織り出したのが最初とされ、
次第に山繭織は改良を加えられ、横糸に木綿糸、縦糸を山繭の手引きを用いて
織るようになりました。

山繭織りはすべて白無地、これを問屋がまとめて紺屋に送り藤色、紅梅色、楳竹色、
茶色、ぶどう色に染め上げて販売。

山繭織の特徴は、肌触りがやわらかく、ふんわりとして軽く、その上つよくて弾力性が
ありました。このため、戦いの際、剣を防ぐによいとされ、武士の鎧(よろい)の下着に
用いて重宝がられていました。

西国大名が参勤交代のみぎり、広島を上り下りするとき、同行の武士がこれを求め、
九州から関東まで知られました。
(山繭織は、可部で織り出されたため”可部紬”とも称される)

原料の不足、備後地方をはじめ各地で新織物が生産され、それらが安い価格で市場に
出回るようになり、衰えていった。